三津石智巳

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Books I'm reading 📚 多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織

In short, I guess this is a book of the collective genius.

You can see detailed table of contents.

30 Seconds Summary

「採用基準で多様性を優先すると業務に支障が出る」本書はそうした考えが間違いであることを明らかにする。一方で、能力主義を否定しているわけでもない。現代における複雑で多次元的な問題を解決する組織には、1. 能力、2. 認知的多様性、3. 尊敬型/支配型ヒエラルキーの使い分け、これら全てが欠かせないことが指摘されている。同時多発テロユナイテッド航空173便燃料切れ墜落事故・エベレスト大量遭難事件など、多様性の欠如によって引き起こされたとされる重大事件・事故のドキュメンタリーが豊富で臨場感に富む。(248字)

Excerpts

「人と違う」ことを採用基準の優先事項にすると業務に支障が出る。「有能だから」「速いから」といった基準で選ぶべきだ。知識や能力や速さが劣る人物を、なぜ人と違うからという理由で採用をしなければならないのか?

本書でこれから紐解いて行くのは、そうした考え方こそが間違いであるという事実だ。

pp. 25-26

I often hear this opinion.

現代社会が直面する難題に、はほぼすべてチームで解決にあたっているが、その理由はシンプルだ。個人で挑むには問題が複雑すぎる。

pp. 27-28

Really? IMO, there're still many operations which needs to be simpler and more unified. Unique, yet unified would be the tagline.

CIA はアルカイダの分析に資金や人員をもっと割り振れたかもしれない。潜入調査もできたかもしれない。しかし彼らは切迫した事態にあることを認識できずにいた。危機を察知できなければ、資金や人員の投入を増やすはずもない。アルカイダに潜入調査を行わなかったのも、自分たちの分析にぽっかりと開いた穴があることに気づかなかったからだ。問題はたんに点と点も結べなかったことではない。組織全体の情報活動が機能不全に陥っていた。 CIA が優秀な人材を集めたのは、知識の幅を広げてより深い分析を可能にするためだった。しかし、多様性にかけた組織は巨大な盲点を生んでいた。

pp. 48-49

Blind spot is a keyword of this book. Thus, the author recommends to increase the coverage of cognitive diversity on given problem space.

世界でもっとも資金をかけて組織された情報機関が、スタート地点に立ってさえいなかったのである。

pp. 56-57

Dr. Ochiai pointed out similar things in 予言された世界 | カーリル pp. 32-34.

Assuming it is the fact that diversity is a necessary condition for high performance, I'm wondering sufficient conditions.

私はここで能力主義を否定しているわけではない。要は、集合知を得るには能力と多様性の両方が欠かせないという話だ。

p. 91

Diversity and competency are necessary/sufficient condition.

人工統計学的多様性が高くても、認知的多様性にあまり、あるいは全く影響を及ぼさない場合もある。スパーバーは同調査の中で、航空機部品や機械装置などの製造会社においては、職員の人種の多様性が生産性の向上に全く寄与していなかったと報告している。これは、例えば黒人であることと、エンジン部品のデザインを向上させることの間にそもそも関連性がないためだ。

p. 92

The author doesn't blindly recommend "diversity".

多様性は高い集合知を生む要因となるが、それには根拠が必要だ。対処する問題と密接に関連し、かつ相乗効果を見生み出す視点を持った人々を見つけることがカギとなる。

pp. 93-94 

Necessary diversity is different per each problem.

しかし、ある時デニストン中佐は気づいた。複雑で多次元的な問題を解決するには認知的多様性が欠かせない。彼に必要なのはクローン集団ではなく反逆者集団だった。アランチューリングばかりのチームでは結果を出せない。そこで、テニストの注射は誰もがこれで十分だと考えるより、さらに広く網を張った問題空間を覆い尽くしたかったのだ。

p. 103

I recalled the story of "Deep Blue vs. Garry Kasparov". IMO, it was the story of beating out a genius by the collective genius.

こうした指摘は決してヒエラルキーの存在そのものを批判しているわけではない。たいていのチームは指揮系統が明確なほうがうまく機能する。ヒエラルキーによって役割分担がなされ、従属者が「木」を見て細部の問題に取り組む間、リーダーは「森」を見ることができる。ヒエラルキーがなければ、チームのメンバーは次に何をするべきかで常に言い争うことになる。これは混乱ばかりを招く危険な状態だ。

そこで我々が考慮すべきは、ヒエラルキーと多様性のどちらを選択するかではなく、両方のメリットはいかにして得るかだ。

p. 164

面白いのは、自分とは反対の意見を見たその時に何が起こるかだ。普通に考えれば、例え正反対の意見でも十分な裏付けや証拠を目にすれば、それまでの自分の意見を多少なりとも和らげるはずだ。しかし、実際は全く逆のことが起こる。以前にも増して、自分の意見を極端にに信じるようになるのだ。

p. 238

フィルターバブルとエコーチェンバー現象の違いが少し見えてきただろうか。前者では当事者は泡の中にすっぽりと包まれ、反対意見から完全に隔離された状態だ。聞こえてくるのは同じ泡の中の住人の意見だけで、現実が歪んで見えている。

(…)

一方、エコーチェンバー現象の仕組みはこれと本質的に異なる。もちろんエコーチェンバー(原意は、録音設備の一種でエコーが響く部屋)にもある程度情報のフィルターはあって、その内側では自分と同じ意見が常に大きくこだましているものの、外部の反対意見も入ってくる。ところが内側の当事者は、反対意見を聞けば聞くほど信念を強めるのだ。

pp. 241-242

多様性はまだ差別問題や倫理的な問題の一部として語られることが多く、業績を上げる要因やイノベーションを起こす要因として取り上げられることは少ない。抽象的な言葉で議論されがちで、話が一向に噛み合わないこともよくある。多様性への理解はまだまだ不完全であるだけでなく、根本的な欠陥さえある。

しかし、ここで多様性を正しく理解し始めれば、視野が大きく開けていく。人類の知性は、個人ばかりでなく、集団の多様性の上に成り立っているということが分かる。イノベーションも、個人の知恵に限らず、集団のネットワークの中で起こる融合がカギだ。人類の繁栄も、個人の脳を超えた集団脳によってもたらされる。

pp. 340-341

Mr. Deguchi gave more practical advice. Let me quote them.

働くこととは、「世界経営計画」の一部を担うこと

人間は「見たいものしか見ない」、あるいは「見たいように都合よく現実の世界を変換してしまう」習性を持つ動物です。カエサル(古代共和制ローマ末期の軍人・政治家)も「人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない」と指摘しています。

このような脳のクセを考えると、世界の現状をきちんと見るためには、方法論が必要です。まずは、その方法論から説明していきましょう。 

https://business.nikkei.com/atcl/report/15/280921/062300033/

僕が考える方法論は2つあります。

1つ目の方法はタテ・ヨコ思考です。

(…)

「世界」や「現状」をきちんと認識するための、2つ目の方法は、「数字・ファクト・ロジック」を使うことです。データの伴わない議論ほど時間の無駄はありません。

https://business.nikkei.com/atcl/report/15/280921/062300033/?P=2

いかにして競争力を向上させるかを考える時には、人とはちがうことを考える。そのためには人・本・旅で勉強するしかない、1人で勉強することは難しいのでダイバーシティを活用するという3点を押さえてほしいと思います。

https://business.nikkei.com/atcl/report/15/280921/070100036/?P=4

以上がリーダーが持つべき心構えです。この3つの中では、「自分のことをボロクソに言う人を近くに置いておく」というのが一番重要であり、一番難しいことだと思います。最初のうちはいいのですが、3、4年たつと、リーダーも苦言を呈する人間が疎ましくなり、遠ざけるようになりがちだからです。これは人間の性であり、誰にでも訪れる問題です。

https://business.nikkei.com/atcl/report/15/280921/070300037/?P=5 

「みんな違ってみんないい」のか? ――相対主義と普遍主義の問題 (ちくまプリマー新書) | カーリル

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