10年近く積ん読だった「ストーリーとしての競争戦略」を読む。 https://t.co/ehvUdzpM03
— Mitsuishi Tomomi 三津石智巳 (@tlila) 2020年5月30日
感想を書き終えてマイクロサービス病にかかった人のようになってしまったが、そういう意図はありません。
「ベストプラクティス」が意味を持つのは、それがきちんとした因果論理で自社の戦略ストーリーに組み込まれたときだけです。
p. 35
マイクロサービスとかも同じだと思うんだよな。
「能力構築には少なくとも10年を要する」
p. 56
孫引き。アジャイルもマイクロサービスも能力構築の戦略だなと思いました。
編集がその機能専門性を発揮できるように、撮影側では一つのシーンであってもありとあらゆる角度から数多くのテイクを撮っておく
p. 57
撮影と開発を置き換えるとなかなか面白い。
日本企業の組織は提供する価値のありようを切り口に分化
p. 57
マイクロサービスじゃん。
戦略とは利益、しかも瞬間風速的に出る利益ではなくて、持続的な利益を生み出すための基本方策です。
p. 163
ゴールドラットも同じことを言っていたな。
一人ひとりの選手がスーパースターでなくとも、ユニークなパス回しで勝負しようというのがストーリーの発想です。
p. 171
Collective Geniusもこれに近いんじゃないかな。
エンディングは決まっているので、終わりから逆回しに考えたほうが、いっかんしたストーリーを組み立てやすいのです。
p. 173
なるほど。
戦略ストーリーは、特定時点で完結する意思決定やデザインの問題ではありません。むしろ日々の経営の仕事の中で遭遇するさまざまな事象をストーリーの視点から考え、ストーリーに取り込み、ストーリーへと仕立てていく。この「ストーリー化」のプロセスに経営者なり戦略家の仕事の本領があります。
p. 225
今のところ最も重要な引用に思われる。Business-Doの「61 Keep your eyes on what's at your feet and what lies ahead」にも通ずる気がする。
ある打ち手がうまくいくかどうか、良いか悪いかは、ストーリー全体の文脈でしか評価できません。当たり前の論理を当たり前に突き詰めるためには、よその会社の動向や世間の耳目を集めるペストプラクティスに惑わされてはなりません。
p. 234
大事だな。
八方美人に陥らず、誰かにきちんと嫌われるためには、あからさまに肯定的な形容詞をなるべく使わずにコンセプトを表現することが大切です。
p. 278
なるほど。
宮本茂さんは、ゲームのコンセプトをつくるときにはユーザーやユーザーに近いところにいる営業部門からのフィードバックを聞いてはいけないと言っています。
p. 289
アジャイルとかXPはあれはどういうことなんだろうな。別に顧客が全てを知っているというようなことは言っていないと思うが。
フランチャイズ方式と直営方式の関係で内製の開発を考えてみると面白いかも。
ストーリーの本質は「部分の非合理を全体の合理性に転化する」ということにあります。
p. 322
これは結構大きなヒントかもしれない。深く会社に根付いている一見非合理な文化を合理性に転化することができるかもしれない。
ちなみにBusiness-Doの「81 The essence of e-commerce is communication」に楽天市場の非合理なキラーパスに当たるものが書いてある。また、「85 Learn from the world's best practices」は本書の要約のような話も書いてある。つまるところ「ストーリー」というのは世界観ということなのだろうな。
しかしながら、「キラーパス」を実装する上での最大の障壁は社内の対抗勢力なのではないか。