三津石智巳

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【感想】リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/books/18/00010/120400205/

局地戦でのリーダーシップ

1ページから膝を打つ。いや、まさにそれを考えている。

リーダーシップとは、リーダーだけが発揮すればよいものではない。

伊賀泰代氏の「採用基準」と同じスタンスだ。

 

第1章ではプロジェクトメンバーが徹底的に議論している場面が描写される。この時点での私の悩みは、言語の壁だ。話せる人と話せない人がいるということ。話せる人だけで進めてしまっていいのか。Englishnizationが戦略であるのだから、そこを前提にしてしまっていいのではないか。

 

付箋を使った意見出し

書いて貼るので、話せない人も参加できるのかも

モヤモヤも吐き出す

できてないなあ

大事な事はすべて紙に書いて

なるほど

お手本を示す→種明かしする→理屈をレクチャーする→自分でやってみる→振り返って改善→社内に周知

ラクティス浸透のフレームワーク

日々の会議の質がプロジェクトの質を高める

やはりここか

多くの経営者は…気づいていても手を打てていない

確かにそういうこともあるのか

育つ変革プロジェクト10の原則

  1. Ownership
  2. Challenge
  3. Opinion
  4. Facilitation
  5. Process
  6. Open
  7. Trial
  8. Peace
  9. Feedback
  10. Responsibility & Have Fun!

これらの原則からプラクティスが導出されて来るのだろう。

意思決定は会議で行う

当たり前のことなのかもしれないが、よく考えたことがなかった。

育つ変革プロジェクトでは、会議の技術をまず叩き込む。

やはり

コンテンツ(知識)よりもプロセスに熟達し、組織を動かし、現実のビジネスを変えることが求められている

メタな人材が足りないということなんだろうな

厳しさと楽しさ

これだよな。ただ、あくまで安全なうえでの厳しさというのが大事だと思う。

自分より能力の高い人をアレンジする

これは耳が痛い

人は最低限の貢献ができない状況に長くは耐えられないからだ。

そうですよね。

面倒くさい大人にスイッチを入れる方法としては「お手本」が有効だ。

自分が強烈なお手本になるべきということだろうか。自分をライバルと思ってくれる人を作る。

答えは明確で、これを読んでいるあなたがお手本として振る舞うしかない。

まさにそのとおりだった。

変革プロジェクトをやる時に手本になるのは、自社の常識に染まっていない他社の人であることが多い。

これは小坂井敏晶氏や出口治明氏の言うことに近い。

変革プロジェクトで必要なのは…大きな声で空気を読まずに問題提起できる人である。

小坂井敏晶氏の「社会心理学講義」に同じ。

アプローチ図

ネットワークアクティビティ図のようなもののようだ。WBSに先立ち作られることと、コミュニケーションツールとして使われることに特徴があるようだ。

会議のスケジュールを事前に押さえる方法

知らないことが多かった。どうやら私は会議を開催することに過度に恐怖心を持っているようだ。

会議のスケジュールとそのファシリテーターを決めるのは、リーダーシップ教育の第一歩

これはかなり重要な気がする。会議のファシリテーションがリーダーシップの最小単位と言えるかもしれない。

このあたりの居心地の悪さ(スパッと決まらないことの気持ち悪さ)もまた、変革プロジェクトに特有のものだ

耳が痛い。「中腰で立ち続ける体力」が私にないんだなと感じる。

与えられた戦略ではなく、自ら練り上げた戦略は実行局面でこそ強い。

ふむ。

議論の可視化が最初のチャレンジとして優れているのは、「あからさまなリーダーシップ」という感じがしないことだ。

ラクティスのどこから始めるかという疑問に対する本書の答えはスクライブである。育てたい能力の発揮と一見すると見えないという着眼点が面白い。

ファシリテーションという技術を学び実践することは、リーダーシップの訓練として非常に優れている

ファシリテーションはリーダーシップの練習であるという視点。結果が良ければ評価にも使えそう。

Know Whoデータベース(知見を持つ社員の一覧)

スキルセットのデータベースを作るみたいな話をしたことがあるが、誰が講師を務めているかわかるトレーニングカタログと星取表のほうがめちゃくちゃ良い。方法論を作る文化の節は読んでいてワクワクしてくる。

 

読了した。

強いショックを受けているというのが正直な感想だ。同時に、これが当たり前になればどれだけ日々が楽しいことか。

咀嚼をするために類書との関係を考えている。「方法論」という言葉はソフトウェア開発の文脈のパターンに似ている。「エクストリームプログラミング」や「組織パターン」が類書になる。綺麗事だけではない本書のスタンスは「レガシーコード改善ガイド」を彷彿とさせる。情報ラジエーターを主張する「カンバン仕事術」にも近しいものを感じるが、本書の方が視点が高いように感じる。アジャイルスクラムにも近しいが、なんというか、私は本書のほうが好みだ。