組織の品質指標を考えるうえで読む。
ODC分析では発見された不具合に属性を付与し、多角的な視点から分析を行う。 独自で重複・冗長でない属性定義(=直交した属性定義)を用いることで、効率よい分析を行うことができる。
p. 12
なかなか初見では理解しづらいが、要するに
- MECEなラベルを付与する
- ラベルの時系列データに対して単純な算数をするだけで有用な情報が得られる
- 比較的低コスト
という手法だと理解した。
(1) 検出工程 (Defect Removal Activities)
(2) 発生トリガー (Triggers)
(3) 障害タイプ (Defect Type) (4) 障害実装タイプ (Qualifier)
(5) 修正ソース種別 (Age)
ODC属性というのはラベルを付与するフィールドのようなものと理解した。ここでは5種類が挙げられている。確かに5つのフィールドにそれぞれ定義された選択肢を選ぶだけならそれほどの手間はないとも言えそう。
分析事例の「あるべき姿」「問題事例」が非常に分かりやすく、ここまでシンプルなラベルと単純な足し算でここまでいろいろなことが言えるのかと感動する。
資料では触れられていないが、本番環境でのインシデント分析にも使えるのではないだろうか。
Orthogonal Defect Classification分析(直交欠陥分類)は、個々の欠陥を複数の独自で重複・冗長性のない属性で分類することにより、効率的に原因・傾向分析する品質検証手法です。
欠陥そのものの傾向を見るだけでなく、開発工程の問題箇所を特定すると共に、開発工程や試験工程の成熟度を多角的に評価できる利点があり、適切な是正策を講ずることにより、集中的に欠陥を除去し、最終的にはソフトウェアの品質を担保する説明責任を果たすことが可能となります。
p. 51
全体を理解した後でこの定義を読むとなるほどよくまとまっていると思う。