三津石智巳

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コンピテンシー評価について

人材管理の分野で用いられるコンピテンシーという概念の定義には諸説あるが、ひとまず「発揮行動」という日本でなぜか比較的メジャーであろう定義をここでは前提とする。

さて、ある職務なり役割なりに対して、期待される発揮行動「出席した会議で発言する」を定義できたとする。ここで私の疑問は、発揮行動をどれだけの回数・頻度で観察すれば会社として認知するのかということである。

上司と部下が必ずしも同じ会議に出席しているとは限らない。多くの場合には部下の自己申告によることになるだろう。週に一回の面談で今週は2回会議に出席し、1回発言したと申告を受けたとする。この週の発揮行動の評価をするとすれば、50点だろうか?それとも、プラス1点だろうか?それともプラスマイナス0点だろうか?

半期の面談の場面で、1ヶ月目と2ヶ月目と3ヶ月目は毎回発言できたがそれ以降発言できなかった場合はどうだろうか?

こんなことを考えるうちに、発揮行動というのは組織に共有された「行動習慣」や「基本動作」になっていなければならないと考えるようになった。つまり、まず期待される発揮行動はその役割・職務においてぜひやるべき・やらなければいけない行動であり、非常に明確であるべきである。そして、やったかやってないかが非常にわかりやすくあるべきである。

現場において企業理念などから導かれたやや抽象的なコンピテンシーが定義されていることがあるが、こここら各役割・職務に必要な発揮行動を誰もが判定できるレベルまで具体化しなければならない。これはインプットとアウトプットの形で定義されるとよいだろう。

さらに、発揮行動はその役割・職務の全員に共有された体系でなければならない。毎回やる価値のあるからこそ、基本動作として定着させる必要がある。

ここまで決めれば最初の疑問に回答が出せる。すなわち100%になっていなければ、その発揮行動を安定的であると認知はできない。なぜなら、その行動は組織に共有された行動習慣・基本動作であるからだ。この定義にそうと重要なのは評価よりもむしろ「共有」であって、いかに発揮行動を組織の中で作り込み、共有するかが大事になる。共有さえできれば評価は自然に完了するからである。

 

三津石智巳