山本義隆氏の新刊は読むようにしている。要所要所での物理学の基本的な説明が分かりやすく、勉強になる。
一般に技術は、実際の使用の過程で欠点が明らかになれば修正され、劣った技術は市場において淘汰され、こうして改良が重ねられ進歩してゆくわけです。(…)裏返せば、改良や進歩の可能性はインフラに制約されているということです。
p. 33
そうだよなぁと改めて思う。
本書前半の技術に対する解説は大変に面白かったが、後半の提言はやや腑に落ちないところがあった。とはいえ、全体主義や技術者倫理に興味があれば面白いテーマを扱った本だと思われる。