三津石智巳

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【感想】国際セクシュアリティ教育ガイダンス【改訂版】――科学的根拠に基づいたアプローチ

性に関する知識やスキルだけではない「包括的性教育」とは? 今の日本に必要な理由(重見大介) - 個人 - Yahoo!ニュースで存在を知り興味を持ったので読んだ。

原文は、

から読める。というか、日本語も

から読めた。文体はISOのような感じ。国際組織が発行しているこれらの文書はもっと読んでいかなければ…。

包括的セクシュアリティ教育は、生殖や性的行動、リスク、病気の予防に関する内容だけでなく、相互の尊重と平等に基づく愛や人間関係のような、そのポジティブな側面も含む形でセクシュアリティを提示する機会を提供する。
p. 33

一番の学びはここ。非常に「包括的」であり、「包括的」とわざわざ冠していることが腑に落ちる。別の言葉でいえば、学際的であり、全人的であり、インテグラルである。

6 歳から 15 歳までの 2 億 6300 万人の子どもや若者が学校に通っていない、または中退している世界の状況の中では(UNESCO, 2016a)、コミュニティセンター、スポーツクラブ、スカウトクラブ、信仰に基づく団体、職業施設、保健機関、オンラインプラットフォーム[訳 注5]などのノンフォーマルな環境が教育において必要不可欠な役割を果たす(IPPF, 2016) 。
p. 38

学校がこれらの教育の中心的役割を果たすことは明言しつつも、あらためてノンフォーマルでコミュニティを基盤とした環境の重要性も指摘されている。中国でモバイル決済が一気に浸透したように、特定の地域やコミュニティでは「ノンフォーマル」な環境が教育のいま以上に中心的役割を果たしていくのだろう。


EdTechと言われる技術群が、種々の制限からノンフォーマルでしかありえなかった教育を学校教育に持ち込むことが期待される。技術者の責任は重い。

「ガイダンス」には 8 つのキーコンセプトがある。

1.人間関係
2.価値観、人権、文化、セクシュアリティ
3.ジェンダーの理解
4.暴力と安全確保
5.健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル
6.人間のからだと発達
7.セクシュアリティと性的行動
8.性と生殖に関する健康

pp. 68-69

このキーコンセプトを知れただけで読んだ価値はある。別の言葉でいうと生活科なのでは。

キーコンセプトは、さらに二つから五つのトピックに分かれ、それぞれの年齢グループごとのキーアイデアと知識、態度、スキルを基盤とした学習目標で構成されている。

p. 69

知識、態度、スキルという学習目標の3領域がBusiness-doと全く同じで驚いた。

04 Think about your mindset, skills, and knowledge

1 The 10 Core Principles - Business-Do [Book]

mindsetが一番大事だと思っているのでどのように態度が育まれるのかは興味がある。