三津石智巳

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【感想】百年たっても後悔しない仕事のやり方


p. 164以降を読み返したくなって再読。結局通読した。

毎日を悔いのないように働こうとは思ってきました。
仕事のやり方についても何か特別な訓練をしたわけでもなく、ノウハウ本を読むようなこともありませんでした。ただ、どんな仕事に対しても受身にならず積極的に取り組み、多くの仕事を経験してきた結果、いつのまにか、私なりの仕事のやり方が出来上がってきたように思います。それは至ってシンプルであり、必ずしも、他の人にそのまま当てはまるとは限らないけれど、何らかの参考になれば嬉しい。
pp. ii-iii

私もこうありたいものだ。

楽しくない人もいれば、楽しくない職場もある、それはもう巡り合わせというしかありません。その中で、いかに楽しく仕事そのものに集中するか、それを工夫するしかありません。

p. 24

その通りだと思う。

ところで、出口氏の本は昔の本ほど細かな記述のニュアンスが丁寧で私好みである。例えば本書では「人間を蟻にたとえるのは、多少礼を失するのですが」と記述がある。

なぜ、70%の正解率かというと、70%正解であれば、大きな方向はできたも同然です。あとの30%は、例えばグループのメンバーが集まって考えれば埋められます。それが70%という数字の意味するところです。一方で、満点にこだわる人も結構います。芸術作品の創造ではないのですから、私は会社の仕事の場合、完全主義にこだわるのは、「時間と人材の有限性」を忘れることになりかねないと思うのです。会社の仕事はみんなで最終結果の100点を目指して進めるのが理想です。しかも、その最終結果においても、ひとつの商品や提案が時代やお客様の需要へ要求を70%満たすものであれば、成功なのではないでしょうか。すべての人に100%満足してもらえる商品は、奇跡に近いと思います。

pp. 37-38

ここの引用は他のテクストではあまり見かけない視点が提示してあり重要に思われる。マーケットまで含めて、どの程度の「正解」を目指すのかというのはあまり合意形成が行なわれていない点であると思う。実際には、スタッフは完全主義で100点を目指して仕事をしてしまっているが、リーダーとしては30点としか採点できない。その階層が積み重なってマーケットには0点に近いものしか提出できないという連鎖が多いのではないか?マニフェストや戦略マップで一気通貫の合意形成を行うことがやはり重要だと思ってしまう。

仕事は先着順を原則に、「私情」を捨てる
p. 41

これまだ腹落ちしてない。

パンを得るためだけに働くことと、自分の人生として納得して働くことは、別の価値観に属します。パンを得るためだけの労働なら、労働時間をがまんすれば一定の報酬は得られます。人間関係のダイナミズムも、仕事を成し遂げる喜びも不要です。けれど、それでは人間として生きることにはなりません。いたずらに生命を燃やすだけです。生活手段を得ることが仕事ではなく、そこに自分の人生があり、誇りがあり、楽しみもあることが仕事の醍醐味です。

p. 111

これ、かなり強い言葉だがストレートに伝わる。今風に言えば「世界経営のサブシステムを担う」ことが人間として生きることの意味ということかと。

大切なことは、国家について会社について自分の信条について、きちんと整合性のある考え方をすることです。その前提の上に立って、眼前の現実の状況に対して臨機応変に態度と行動を変化させることが、関係性を考えることであると思っています。
それは主義信条を捨てることでもなく、目先の利益に誘惑されるのでもない、いまできる最適な方向を選択すると言うリアルな決断なのです。

pp. 142-143

これもその通り。では、どうすれば?というと一生勉強するしかない。

改めて読み直してこの本の密度の高さに驚いた。これはひとえに執筆協力者の腕によるものだと思う。今後一冊推すならこの本にしようと思う。